年を取りますと一年の早さを改めて感じます。人との出会いは人生の宝と言われますが、我が人生を振り返ったとき、あの人に出会ったお陰で、私の人生の方向付けができた、あの教えに出会ったお陰で私の人生が豊かなものになったと、深い感慨に更けることがあります。しかし人生、良いことばかりではありませんでした。悪い出会いや厳しさは、己を磨く時であると今でも厳しく見つめるようにしております。
大晦日には百八の除夜の鐘をつきますが、百八というのは、仏教で分類した人間の煩悩の数であると言われます。除夜とは、夜を除くと書きます。夜とは、道理(すなわち人が行うべき正しい道)が暗いための闇である。天地の道理、その中に生かされている人の生命の姿が暗く、その道理にはずれた生き方ゆえに招いた苦しみの闇なのです。夜を除く・煩悩の闇を除くと書くが、除くのではないのです。人々は悲しみや苦しみを嫌い逃げようとするが、むしろその傷を大切にせよと教えているのです。バチカンにおられるしりねだ尻枝正行神父が作家の曽野綾子さんに贈った言葉に「苦しみから逃れて救われるのではなく、苦しみが私を救ってくれる」とあります。
「百八の煩悩の闇といっても、他人の闇ではなく借り物でもない私の闇、私の痛みに導かれ、それを鍵とし、そこを入り口として教えに出会うことにより、闇を転じて光明の元旦を迎えよ」というのが除夜の鐘の心であると言われます。我々凡人は、苦しみを味わうことによって幸せを感ずるのです。苦しみは我を磨く時と意識し、豊かな心を以って人生を歩んでいただきたい。

今年も大過なく、健康で無事年末を迎えることができますことに感謝する思いです。厳しい社会、あまり良い話を聞くことが出来ない年でしたが、社員の皆さんが、それぞれの役割をしっかり実践し、お客様のお役に立つことを基本として頑張っていることを何よりと感じています。
私は70歳を過ぎてなお健康で働くことができることに感謝しています。私は皆さんが元気でかつ笑顔で働いている姿にもっとも心を癒されるのです。ですから私の健康は、会社が健康であることと言っても過言ではないのです。
健康なる企業体質を維持し続けるには、お客様の声や意見に耳を傾けることです。職場には優秀な先輩が大勢います。「三人寄れば文殊の知恵」と言われます。一人よりは二人、二人よりは三人と大勢で考えるほうが良いと言うことです。テーマを決め真剣に話し合うことです。皆さんが自発的に会議を開き話し合うことで連帯感が生まれ、生き甲斐のある職場と変わっていくのです。
大正・昭和の教育家として知られる後藤静香さんの有名な「本気」という詩がございます。「本気ですれば、たいていの事はできる。本気ですれば何でも面白い。本気でしていると誰かが助けてくれる。幸福にするために本気で働いている人間は、みんな幸福で、みんな偉い。」
ある会社は全員が、この詩を机の上に貼り出し毎日読んで「本気」になって仕事に取り組んだところ、業績が大きく伸びたと言われています。一度しかない人生です。本気で何事にも取り組むことで必ず道は開かれます。来年は、この詩を皆さんがしっかり心に受け留めて、お客様に更に信頼をいただく企業を目指して参りましょう。

厳しい時代にも必ず良い企業があります。ホール業界も厳しい中に多くのお客様に支えられ、当社の今日があるのです。
コラムに目を通しますと、経済が悪化している中にも、快進撃を続けるユニクロがあり。ユニクロを率いる柳井会長は経営哲学のビジネスの極意について、「本を読むときは初めから終わりへと読み続け、ビジネスの経営は、逆に終わりから始めてゴールを見据えることにより、中長期の自社の理想像が明確となり、理想を実現するために、今何ができるかという視点で日々の活動に専念し取り組むことだ」と述べております。確かに家やビルを建てるときは、まず設計図を作成することから始めるのです。一般の企業が事業を始めるにあたり、詳細な設計図を描き事業を始める企業がどれ程存在するだろうか。事業を実行に導く計画図を作らなければ、経営トップが夢を語ったところで目標達成することは難しいのです。
各々の支店営業所において、計画図を描くことが目標達成の一歩です。ホール業界の厳しさが増した今日では自社の理想像を達成するまでに幾多の困難が予想されます。一つにカジノ問題がホール業界にどのような影響を与えるのか事前に其の困難を予測して回避策を立てることが必要です。そのためにはホール業界の動向や自社を取り巻く環境をしっかり熟知する必要があります。「敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず」と言われ、どんな状況にもうろたえることなく、最大限の能力を発揮して困難を乗り越えることが必要です。それには自己に厳しくお客様から信頼を勝ち取ることが重要です。

先進国であった日本は何をしているのか。新興国はリーマンショックなどわが国には関係ないと言わんばかりの経済発展を遂げております。隣国では「日本に追いつけ追い越そう」と国をあげて目標を持ち取り組んでいます。しかし日本も過去にアメリカに追いつけ追い越せと、成長してきた時代もありました。最近の日本人は、政治が悪い経済が悪いと責任を転嫁し、他人に頼る傾向が強いのではないでしょうか。自分のことは自分で守り、家族を養い、会社のことは社員一丸となり守ろうとする精神が必要ではないでしょうか。経済に目を向ければ、円高・株安の影響を受け、売上が上がらないと多くの企業の経営者の嘆きが聞こえてきます。日本の企業の75%が赤字経営であると言われます。ホール業界では、年が明ければ良くなると過去にはそんな思いで年の瀬を迎えたものでした。しかし現状のホール業界の不況はそんな甘いものでもありません。ホール経営の厳しさは当社の経営にも跳ね返って来ます。売上というのはお客様からしか発生しないのです。お客様から信頼を獲得し、長きに亘りお取引いただき、良好な関係を維持できなければ企業を存続することさえ難しいのです。自社の儲けを増やしたいといった自己の都合を優先して事業を行えば、お客様から信頼を得ることはできません。
いかなる経営においても、自分の欲求を満たしてくれるサービスすなわち、自分がしてもらって嬉しいサービスを徹底して心懸けることが必要です。企業は事業の目的として、自社の都合を優先することなく、価値を提供する心懸けが生き残る基本ではないでしょうか。

「企業は人なり」と言われます。人財とは、「いかなる人なのか」と考えるとき、まず心身共に健康である人ではないでしょうか。健康でなければ人を思いやる心、余裕さえ身につけることはできません。お客様のことを常に考えて行動し、人と会話をするときには相手の立場を尊重し、自分が非難されても、すぐ反論しないことです。特に夫婦間においては、それぞれが思いやりに満ちた言葉を使おうと努力することです。それは相手を大切にするだけでなく、自分を大切にすることにもなり、良好なる人間関係を構築することになるのです。しかしときには、相手に厳しい言葉を言わなければならないこともあります。どうしても言っておかなければならないという相手のためを思っての叱責は、思いやりの言葉と受け止めることが必要です。
ダーウィンは進化論において「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるわけでもない、唯一生き残れるのは変化に対応できるものである」と述べております。
厳しい時代、企業の平均寿命は、30年と言われます。当社はお陰様で間もなく創業50年を迎えます。ビジネスの世界においても、強いものが生き残るのではなく、賢いものが生き延びる訳でもないのです。日々変化する厳しい時代のなか、企業自らが変わっていかなければいけません。これまでと変わらないことをしている企業は生き残ることはできません。戦略を練り、常に他社より一歩先んじ、社員と経営者が価値観を共有し、お客様の動向を見極め実行する企業のみが生き残るのです。そのためには社員全員が何事においても諦めないことです。

 

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